【牛55℃ 鶏豚65℃】お肉のおいしい中心温度についてプロが考えてみる

みんな大好きお肉、こういうピンク色の断面に憧れますよね。

これってお家でも出来るの?

生焼け?お腹は壊さないの?

鳥や豚はなんで加熱しないとダメなの?

こういった疑問がInstagramの質問に寄せられたので基本的な部分をお答えしていきます。

牛=55℃
●鶏・豚=65℃

の中心温度を目指す

結論、お家でも「牛肉であれば」このピンクの断面は作れます。鶏肉や豚肉がNGな理由は後で詳しく解説しますが、お肉を焼くときはこの中心温度を目指すのがベストです。

お肉の火入れについてある程度理解できている人は、温度さえ分かればもうお店レベルのお肉が焼けると思います。すぐに中芯温度計分厚いお肉を買ってチャレンジしてみましょう。

焼き方も詳しく知りたい!という方はぜひ、読み進めてみて下さい。

この記事を書いた人

PAPAIZM(パパイズム)

イタリアン12年の元料理人。SNS総フォロワー8万人の料理系アカウント運営。
家にこもることが大好きで、家事育児を中心に在宅ワークを楽しむ3児のパパ。

撮影 / 商品開発 / 動画制作 / ライター / メディア出演 などいろいろやっています♪

目次

おいしい温度でお肉を焼く方法

おいしいお肉を焼くポイントは理屈さえ分かれば非常にシンプルです。

お家で再現出来そうなお肉の焼き方のパターンは大きく分けて2つ。

「フライパンだけで焼く」か「調理家電&フライパンで焼く」です。家庭で作る場合、おすすめは圧倒的に後者。

フライパンだけ焼く  難易度:★★★★★

肉を焼いては休ませを繰り返し、余熱で中心を適温にする方法です。低温調理に比べると短時間で焼き上がり、ジューシーかつ焦げの香ばしさが際立ちます。

【手順】

  1. お肉の重さの1%の塩で肉に下味(15分ほど放置)
  2. フライパンで全面をこんがり焼いて火を止める
  3. お肉の一番分厚い箇所に芯温計を突き刺す
  4. アルミホイルで包む
  5. 余熱で芯温が適温(牛55℃・鶏豚65℃)になるまで待つ
  6. 適温になればカットして盛り付け

【難しい理由】
・肉の厚さによって加熱時間や火加減を変える必要がある
・焼きすぎて表面近くが硬くなりがち
・付きっきりの時間がめちゃくちゃかかる

調理家電&フライパンで焼く 難易度:★★☆☆☆

先に肉全体の温度を家電で適温にしておいてから表面をさっと焼く方法。誰でも簡単に再現ができる簡単さ、しっとりとした仕上がりになります。

  1. お肉の重さの1%の塩で肉に下味(15分ほど放置)
  2. ジップロックに入れて空気を抜いて閉じる
  3. 調理家電(低温調理器・電気圧力鍋・炊飯器)で低温調理
    お肉全体の温度を適温(牛55℃・鶏豚65℃)にする
  4. 数分落ち着かせてカットして盛り付け
  5. フライパンで表面をさっと焼く(目的は殺菌)

【簡単な理由】
・温度設定が出来る家電(電気圧力鍋など)で放置
・加熱中に見てなくてもいい
・実質味付けして焼くだけ

おまけ:お肉に焦げ目を付ける理由(メイラード反応)

お肉が焦げることを「メイラード反応」と言うのですが、実はこれが美味しさのポイント。
150度前後の高温でお肉を加熱することで、お肉の中にある糖とアミノ酸が反応し、茶色く変化(焦げて)して、香りやうまみを生み出してくれます。

クッキーや、プリンのカラメル、パンの焼き色などもこの同様にこのメイラード反応です。

お肉の殺菌と安全性について(鶏肉と豚肉の生焼けが危険な理由)

  • 生焼けのお肉がどうして危険なのか
  • 特に鶏肉と豚肉が危険なのはどうしてなのか

それは細菌と寄生虫が大きく関係してきます。

肉には細菌と寄生虫が存在する

【細菌】
・肉の「表面」に近いほどたくさん存在
・100℃以上の加熱により一瞬で死滅する菌がほとんど

・牛は体質的に内部に細菌がほとんど存在しない
 (ただし肉が古くなれば菌はどんどん内部にも侵食する)
・鶏、豚は表面、内部ともに存在する

【寄生虫】
・肉の「内部」に存在
・表面の加熱だけでは死滅しない
・中心温度を上げて死滅させる必要がある
・牛は体質的に寄生虫がほとんど存在しない
・鶏・豚は厄介な寄生虫が内部に存在する

つまり・・
【新鮮な牛肉】表面を焼けば内部は無菌に近いので比較的低温でも食べられる
鶏・豚】表面と内部両方の菌やウイルス、寄生虫を殺すために中心までじっくりと加熱が必要

といったイメージです。

中心温度は「牛=55℃ 鶏・豚=65℃」がベスト

冒頭でお伝えしたように

新鮮なお肉を使うという前提で、お肉のおいしくて安全な中心温度は「牛=55℃ 鶏・豚=65℃」がベスト

この条件を満たせば表面・内部の最近も寄生虫も死滅しつつ、お肉を柔らかい状態で食べられる適温です。

必ず安全!というわけではありません。免疫が落ちていたり、ご年配の方が食べる場合は新鮮なお肉でもよく火を通してください。

お肉の温度や調理方法に関して少し専門機に知りたい方は下記のサイトで少し専門的に記載してくれています。

料理王国
科学の専門家に聞く「料理人が知るべき温度」 - 料理王国 料理人に必要な「温度」の知識とは何なのだろうか。サイエンスの視点から、料理人が知るべき温度を専門家に聞いた。 Hiroya Kawasaki2004年京都大学大学院博士後期課程修了...

おいしいお肉を焼く低温調理が出来るキッチングッズ

ちなみに低温調理が出来る家電としては以下の通り。

  • 炊飯器
  • 電気圧力鍋
  • 低温調理機

おすすめの商品も張り付けてますので参考にしてみてください

炊飯器

炊飯器の保温機能を駆使すれば電気圧力鍋の低温調理と同様の効果が得られます。

【やり方】

  1. 下味をしたお肉をジップロックに入れる
  2. 空気を抜いてなんちゃって真空状態にする
  3. 炊飯釜に入れて熱湯をひたひたに注ぐ
  4. 保温ボタンを押して2時間程度
  5. その後表面をフライパンでさっと焦がす

熱湯の最初の温度は100℃。保温機能でじわじわ下がってもお湯の温度は70℃~80℃程度。なので実質70~80℃でゆっくりお肉を温めている状態を作り出せる


電気圧力鍋

どの種類にも温度設定モードが付いているはずなので、そのモードを使う。

【やり方】

  1. 下味をしたお肉をジップロックに入れる
  2. 空気を抜いてなんちゃって真空状態にする
  3. 電気圧力鍋に入れて温度設定モード
  4. 適温(牛55℃・鶏豚65℃)設定で2~3時間温め
  5. その後表面だけフライパンでさっと焦がす

お肉全体の温度を温度設定機能で上げてほったらかし殺菌。あとは表面を焼いて焦げ付け(殺菌)すればOK。

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低温調理機

【やり方】

  1. 下味をしたお肉をジップロックに入れる
  2. 空気を抜いてなんちゃって真空状態にする
  3. 鍋に低温調理機を取り付ける
  4. 適温(牛55℃・鶏豚65℃)設定で2~3時間温め
  5. その後表面だけフライパンでさっと焦がす

1度単位での細かい温度設定が可能

最新(2023年12月)この低温調理器が最高です。お湯も、ガスも使わないのでどこでも安定した低温調理が可能です。

まとめ

再度確認します。

【安全でおいしいお肉の中心温度】
牛55℃
鶏・豚65℃

牛肉は表面だけしっかり、焼いて殺菌。鶏肉、豚肉は中心が65℃になるまでじっくり火入れが必要。そのために調理家電を使った焼き方をおすすめしました。

この温度を守るだけで、本当に簡単にお店のクオリティに仕上がりますので是非試してみてください♪

ちなみに塊肉はあまり販売していないので、BBQ用肉を格安で扱うミートガイという通販サイトがオススメです♪

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